ホワイトノイズ・ピンクノイズ・ブラウンノイズの違いと、睡眠のために試したいのはどれか
ホワイトノイズ、ピンクノイズ、ブラウンノイズは、どれも一定でランダムな音ですが、高い音と低い音へのエネルギーの配分が異なるため、聞こえ方がはっきり違います。睡眠にいちばん良いと実証されている色はなく、好みがとても大きく影響します。このガイドでは、それぞれの特徴、研究でわかっていること・わかっていないこと、自分に合うか試す方法を紹介します。
ポイント
- ホワイトノイズは明るくシャーッとした音、ピンクノイズはやわらかく厚みのある音、ブラウンノイズは深くゴーッと響く低い音です。
- どれも、車の音や話し声、パートナーのいびきなど、気になる物音を目立たなくする(マスキング)効果が期待できます。実用面での主なメリットはこのマスキングです。
- ノイズの色と睡眠に関する研究は限られていて、結果も一致していません。自分がいちばん心地よく感じるものを選ぶのが基本です。
- 音量は小さめにしましょう。眠れない状態が数週間続く場合や、日中の生活に支障が出る場合は、医師に相談してください。
「ノイズの色」とは何か
ノイズの色とは、低音から高音まで、音のエネルギーが周波数ごとにどう配分されているかを表したものです。名前は光になぞらえてつけられています。白色光があらゆる色の光を含むように、ホワイトノイズは聞こえるすべての周波数を同じ強さで含んでいます。
色ごとの違いは、低い周波数に比べて高い周波数をどれだけ抑えるかです。ホワイトノイズはまったく抑えず、ピンクノイズは適度に、ブラウンノイズは大きく抑えます。どれもランダムで途切れず変化しない音なのに、聞こえ方が大きく違うのはそのためです。
ホワイトノイズ:明るくくっきり、シャーッとした音
ホワイトノイズは、どの周波数でも同じ強さを持っています。人の耳は高い音に敏感で、聞こえる範囲では高音域のほうが含まれる周波数も多くなります。そのためホワイトノイズは、テレビの砂嵐やラジオの受信できていない時のザーッという音、ラジエーターのシューッという音のように、明るく鋭く聞こえやすい傾向があります。
強みはマスキング効果です。全周波数帯をカバーするので、ドアの開閉や話し声、通り過ぎる車など突発的な音を覆い隠しやすくなります。一方で、とくに音量が大きいと、一晩中聞くには刺激が強すぎると感じる人もいます。逆に、くっきりとした「無」のような感覚が好きという人もいます。
ピンクノイズ:やわらかくバランスがよく、自然な音
ピンクノイズは高い周波数を抑え、1オクターブごとのエネルギーがほぼ同じになるようにした音です。多くの人にとって、ホワイトノイズよりバランスがよく、シャーッとした刺激が少なく聞こえます。一定の雨音や木々を抜ける風の音、遠くで聞こえる滝の音に近い印象です。
ピンクノイズは、深い眠りや記憶を助ける可能性を探る小規模な研究がいくつかあり、関心を集めています。ただし、それらはまだ初期段階のものが多く、規模も小さく、一定のBGMを流し続けるのではなく脳の活動に合わせたタイミングで音を出す方法を使っているものも少なくありません。一晩中ピンクノイズを流せば睡眠が改善する、と示しているわけではありません。試してみる価値はありますが、睡眠を助けると証明されたものではありません。
ブラウンノイズ:深くて低い、ゴーッと響く音
ブラウンノイズ(ブラウニアンノイズ、レッドノイズとも呼ばれます)は、高い周波数をさらに大きく抑えた音です。残るのはほとんど低音で、大きな滝や荒い波、遠くの雷、飛行機の機内のような、深く響くゴーッという音になります。
ブラウンノイズは「温かい」「落ち着く」と感じる人が多く、とくにホワイトノイズが耳障りに感じる人を中心に、ネットで人気が広がりました。ブラウンノイズと睡眠に絞った研究はほとんどなく、魅力はおもに心地よさや好みにあります。低音が中心なので、機器のピーッという音や犬の鳴き声のような高い音は、覆い隠しにくいかもしれません。
わかっていること、わかっていないこと
3つの色に共通していちばん確かな考え方は、マスキングです。一定の音が流れていると、周囲の音の急な変化が目立たなくなります。人が目を覚ます原因は、そうした変化であることが多いものです。騒がしい家や都市部、家族と共有する寝室では、実際に役立つことがあります。
それ以外については、エビデンスは限られていて、結果も一致していません。背景の音があるほうがよく眠れる人もいれば、変わらない人も、どんな音でも気が散る人もいます。大きな音を一晩中聞き続けることについては、懸念を示す研究者もいます。音量を控えめにするのは、妥当な予防策です。ノイズは、不眠症や睡眠時無呼吸症候群などの睡眠障害の治療にはなりません。寝つけない、途中で目が覚める、大きないびきをかく、日中ひどく疲れるといった状態が続く場合は、医師に相談してください。
自分に合うものの選び方と試し方
まず、何を防ぎたいのかを考えましょう。話し声や車の音のように鋭くて変化のある音には、ホワイトノイズやピンクノイズのほうが覆いやすいかもしれません。穏やかで低めの背景音がほしい場合や、シャーッという音が苦手な場合は、ブラウンノイズを試してみてください。迷ったら、中間的なピンクノイズがおすすめです。どんな音も初めての夜は慣れずに感じることがあるので、判断する前に、それぞれ数晩は続けて試しましょう。
音量は、周りの物音がやわらぐ程度にとどめ、できれば小声の会話より大きくならないようにします。スピーカーは頭から少し離して置きましょう。眠りについたあとに音が消えるよう、スリープタイマーを使う人もいます。iPhoneとiPad向けの「Sleepy: Sleep Sounds」では、ホワイト、ピンク、ブラウンなどのノイズを再生でき、雨の音や扇風機の音などを別々の音量で重ねたり、ゆっくりフェードアウトするタイマーを設定したりできます。
よくある質問
睡眠にはホワイトノイズよりピンクノイズのほうがいいですか?+
一概にはいえません。ピンクノイズはやわらかく聞こえると感じる人が多く、深い眠りとの関連を探る小規模な研究もいくつかありますが、まだ初期段階で、結論は出ていません。心地よく感じられて、気になる物音をしっかり覆ってくれるものを選ぶのがよいでしょう。
ブラウンノイズが好きな人が多いのはなぜですか?+
ブラウンノイズはほとんどが低音なので、シャーッとした音ではなく、深くゴーッと響く音に聞こえます。ホワイトノイズより落ち着く、疲れにくいと感じる人が多いようです。人気の理由は研究よりも個人の体験によるところが大きく、ブラウンノイズに限った研究はごくわずかです。
一晩中ノイズを流したまま寝ても大丈夫ですか?+
ほとんどの大人にとって、小さな背景音であれば一般的に問題ないとされていますが、音量を低めにしておくのが無難です。眠りについたあとに音がフェードアウトするスリープタイマーを使う方法もあります。聴力が心配な場合は、医師や耳鼻咽喉科の専門医に相談してください。
赤ちゃんにホワイトノイズ、ピンクノイズ、ブラウンノイズを使ってもいいですか?+
やさしく一定した音を使うご家庭は多いですが、音量は小さくし、機器はベビーベッドの中や真横ではなく、離れた場所に置いて、必要以上に大きくしないでください。かかりつけの小児科医のアドバイスと、安全な睡眠に関する一般的な指針に従ってください。Sleepyには、ノイズの色のほかに、心音や「シーッ」という音など、赤ちゃん向けの音も入っています。
どのノイズでも眠れない場合は?+
よくあることです。背景音が助けになる人もいれば、そうでない人もいます。睡眠の悩みが数週間続く場合や、日中とても疲れる場合は、背景にある原因を調べるためにも、医師の診察を受けることをおすすめします。
