大人のための、かんたん就寝前リラックス習慣(入眠ルーティン)
入眠ルーティンとは、「今日はもう終わり」と体と心に伝えるための、短くて繰り返しやすい静かな行動のセットのことです。凝ったものや完璧なものである必要はありません。今夜から始められるシンプルな方法と、忙しいときの調整のしかたをご紹介します。
ポイント
- 寝る前の20〜60分は、きっちりしたチェックリストにせず、静かで負担の少ない過ごし方を心がけましょう。
- 照明を落とし、頭を使う作業から離れて、ほとんどの夜に同じ数個のことを同じ順番で行いましょう。
- ゆっくりした呼吸、軽い読書、穏やかな音声は、気持ちを切り替える助けになります。合うものは人によって違います。
- しっかり習慣を整えてもたびたび眠れない場合は、医師に相談してください。睡眠の悩みが続くときは、きちんと向き合うことが大切です。
入眠ルーティンが役立つ理由
多くの大人は、メールや家事、画面を見ていた状態からそのまま暗い部屋で横になり、すぐに眠れることを期待しがちです。けれど、この急な切り替えがうまくいかない人は少なくありません。入眠ルーティンは、忙しい日中の時間と就寝時間のあいだのクッションになってくれます。
毎晩同じ穏やかな行動を繰り返すと、それが合図の役割を果たします。続けるうちに、ルーティンそのものが「もうすぐ眠る時間」というサインに感じられるようになります。睡眠の専門家も、良い睡眠習慣のひとつとして、一定の就寝前の習慣をすすめることが多いですが、効果の感じ方には個人差があります。
ルーティンですべての睡眠の悩みが解決するわけではなく、不眠症や不安の治療にもなりません。眠りやすい環境を少しだけ整えるもの、と考えてください。
今夜から始められる、30分のかんたんルーティン
就寝30〜20分前:一日を締めくくります。メインの照明を暗くするか、間接照明に切り替えましょう。仕事を片づけ、翌朝に必要なものを用意し、頭の中に残っているやることは紙に書き出して、考えがぐるぐる回らないようにします。
就寝20〜10分前:負担が少なく心地よいことをします。洗顔や歯みがきをして、寝間着に着替え、紙の本を読む、軽くストレッチをする、穏やかな音声を聴くなど、静かな時間を過ごしましょう。刺激的なこと、ストレスになること、やめにくいことは避けます。
最後の10分:布団に入って、ゆっくり過ごします。数分間ゆっくり呼吸をするとリラックスしやすくなります。そのあと消灯しましょう。環境音が好きな方は、このタイミングで小さめの音量で流し始めてください。
リラックス習慣の選び方
おすすめは、穏やかで慣れていて、いつでもやめられる活動です。軽い読み物、数分間の日記、ぬるめのシャワーや入浴、やさしいストレッチ、睡眠用の読み聞かせ(スリープストーリー)、簡単な呼吸法などが向いています。
4-7-8呼吸法(4秒吸って、7秒止めて、8秒かけて吐く)やボックス呼吸(吸う・止める・吐く・止めるを同じ秒数で行う)は、気持ちを落ち着かせる方法として知られています。特定の呼吸法と睡眠の関係についての根拠は限られており、結果も一致していませんが、ゆっくり一定のペースで呼吸すると落ち着くと感じる人は多くいます。ふらついたり不快に感じたりしたら、普通の呼吸に戻してください。
本当に楽しめることを2〜3個選びましょう。意気込んで始めて1週間でやめてしまうより、自分が好きな習慣のほうがずっと続きます。
ルーティンに音や音声を取り入れる
雨の音、扇風機の音、ブラウンノイズなどの環境音(ホワイトノイズの仲間)があるほうがよく眠れるという人もいます。車の音やパートナーのいびきのような突然の物音を和らげてくれることもあります。一方で、静かなほうが好きな人もいて、それもまったく問題ありません。音と睡眠に関する研究はまだ発展途中なので、自分が心地よいと思うほうを選んでください。
音量は小さめで心地よい程度にして、眠ったあとに音がフェードアウトするようタイマーを使うのがおすすめです。睡眠用の読み聞かせやガイド付き瞑想も、忙しい頭が一日を振り返り続ける代わりに、やさしく耳を傾けるものを与えてくれます。
まとめて使いたい方には、iPhoneとiPad向けのSleepy: Sleep Soundsがあります。ゆっくりした呼吸から、静かな音に乗せたお話へと進み、最後は音がフェードアウトしていく入眠ルーティンを備えています。スリープタイマー付きで、画面をロックしたままでも再生できます。
画面、光、カフェインについて
夜遅い時間の強い光や刺激的なコンテンツは、眠気を感じにくくさせることがあります。画面をまったく見ないようにする必要はありません。明るさを下げる、ナイトモードにする、最後の30分は仕事のメールやニュース、だらだらスクロールを避ける、といった工夫が役立ちます。
スマートフォンで音声を流す場合は、再生したい音を選んだら、画面をロックして伏せて置くか、少し離れた場所に置きましょう。必要な機能だけ使えて、通知が気になってつい確認してしまうことを防げます。
カフェインは体内に何時間も残ることがあり、アルコールは夜の後半の眠りを浅くすることがあります。特に午後から夜にかけて、とる時間帯に気をつけるのは、試す価値のあるシンプルな工夫です。
忙しい日常でも続けるコツ
完璧さよりも、続けることのほうが大切です。ほぼ毎晩、同じ時間帯にルーティンを始めるようにして、起きる時間も、できれば休日も含めてなるべく一定に保ちましょう。
帰りが遅い日やバタバタした夜は、短縮版で大丈夫です。照明を落とし、歯みがきをして、布団の中で2分間ゆっくり呼吸をするだけでも、同じ合図になります。
効果があるかどうかは、2週間ほど続けてから判断してください。それでもたびたび寝つけない、夜中に目が覚める、起きたときにぐったりしている、大きないびきをかくといった場合は、医師に相談しましょう。ルーティンでは対処できない原因が隠れていることもあります。
よくある質問
入眠ルーティンは何分くらいが目安ですか?+
ほとんどの人は15〜60分のあいだで大丈夫です。まずは30分を目安にすると始めやすいでしょう。長さよりも、毎日続けることと、穏やかに過ごすことが大切です。
寝る前に避けたほうがよいことは何ですか?+
寝る直前のストレスのかかる作業、激しい運動、重い食事、仕事のメールやニュース、テンポの速いゲームのような刺激的なものは避けましょう。夕方以降のカフェインや、就寝間近のアルコールも、多くの人の睡眠に影響することがあります。
音を聴きながら眠っても大丈夫ですか?+
はい。穏やかな音、スリープストーリー、ガイド付き瞑想が助けになると感じる大人は多くいます。音量は小さめにして、音声がフェードアウトするタイマーを使いましょう。静かなほうがよく眠れる場合は、使わなくても構いません。
就寝前の習慣で不眠症は治りますか?+
いいえ。入眠ルーティンは役立つ習慣ですが、不眠症やその他の睡眠障害の治療ではありません。睡眠の悩みが数週間続く場合や、日中の生活に影響する場合は、医師に相談してください。効果が確かめられた治療法があります。
ルーティンのあとも眠れないときはどうすればいいですか?+
時計を気にしたり、無理に眠ろうとしたりしないようにしましょう。長いあいだ眠れないと感じたら、いったん起きて、薄暗い明かりのもので静かに過ごし、眠くなってから布団に戻ると楽になる人が多いようです。こうしたことがよくある場合は、医師に伝えてください。
